- 著者
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篠崎 正美
- 出版者
- Japan Society of Family Sociology
- 雑誌
- 家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.2, pp.24-38, 2004
- 被引用文献数
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農村において, とりわけ男性農業後継者の結婚難が地域社会の問題となっている。結婚や家族観における最近のジェンダー・ギャップ, 農村や農家の経済社会的後進性農業男性の「消極性」などが結婚難の主因として論じられている。が, 重要な要素として日本における配偶者選択の主な領域である学校や職場という第2次的生活領域で, 農村には若い未婚女性と出会えるチャンスが非常に少ないという構造的欠損を考える必要がある。<BR>本論文では, 自治体の結婚介入事業の種類や目的, 経費, 成果, 成否の理由の調査から, 農村の結婚問題の現況を把握するとともに, 行政の担当者自身個人的な結婚観と事業の公的な目的との間のずれにも注目した。次に, 結婚相談員への面接の分析から農村に生じている結婚への意味づけの大きな揺らぎ, 4Hクラブ男性メンバーへの集団面接の分析から, 一方で「消極的」で伝統的な配偶者選択と, 他方で合コンなど「遊び」の第3次生活領域への積極的な参加によるポストモダンで, 脱制度化された結婚と家族への多様化が認められた。