- 著者
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沼崎 誠
- 出版者
- 日本グループ・ダイナミックス学会
- 雑誌
- 実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.1, pp.14-22, 1995
- 被引用文献数
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セルフ・ハンディキャッピングが, セルフ・ハンディキャッパーの能力に関連する受け手の知覚と受け手のセルフ・ハンディキャッパーに対する好意とに与える効果を検討するために, 2つの実験室実験を行った。2つの実験とも, 獲得的セルフ・ハンディキャッピングの有無と主張的セルフ・ハンディキャッピングの有無が操作された。獲得的セルフ・ハンディキャッピングはセルフ・ハンディキャッパーの遂行成績を低く知覚させたが, セルフ・ハンディキャッパーの能力やセルフ・ハンディキャッパーに対する好意には影響を与えなかった。遂行成績が低く知覚された結果は, ハンディがあることにより, 受け手が遂行成績が低くなると期待したために生じ, そこから割り引き原理が働いたことにより, 能力知覚には影響しなかったと考えられる。一方, 主張的セルフ・ハンディキャッピングはセルフ・ハンディキャッパーに対する好意を低下させたが, セルフ・ハンディキャッパーの能力に関連する知覚には影響を与えなかった。これらの結果は, 印象操作方略としてのセルフ・ハンディキャッピングが, 受け手に対してはネガティブな効果を持ちやすく, ポジティブな効果が少ないことを示唆するものである。