著者
杉浦 淳吉
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.39-47, 1998
被引用文献数
2

環境配慮行動を促進させる説得的コミュニケーションにおいて, 社会的便益と個人的便益のどちらを強調するのが効果的であろうか。また, どのような要請主体からの説得が効果的であろうか。本研究では, 公共利益にも私的利益にもつながる「エコロジーダイヤル」への加入という行動をとりあげ, その行動を要請する主体として環境NPO, 電話会社, そして対人ネットワークとしての友人, の3つを設定した。実験は, 3つの要請主体が, 環境保全あるいは個人の経済性を重視した説得的メッセージを用いて加入要請を行う場面を想定した。結果は, 環境保全を重視したメッセージを用いた条件の方が, 経済性を重視したメッセージを用いた条件よりも, 要請主体への応諾傾向が高くなった。加入意図, および加入への態度については, 要請主体の効果がみられた。すなわち, 環境NPOから要請された条件は, 友人から要請された条件と比較して加入意図および加入への態度は高くなった。要請主体への親近性評価では要請主体が友人である条件がもっとも高かったが, 行動意図およびそれを予測する変数との間の関連は低かった。

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CiNii 論文 -  環境配慮行動の承諾に及ぼす要請内容と要請主体の効果:「エコロジーダイヤル」を用いた検討 https://t.co/NudsAgK6Qq #CiNii

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