著者
北本 康則 鈴木 一之 二木 源 田熊 淑男 上田 仁 門間 弘道 石崎 允 高橋 寿 関野 宏 中道 五郎 薮下 安紀
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.1234-1237, 1986

ウロキナーゼ固定化フェモラールカテーテル(UKFC)の臨床評価を行なった。UKFCはポリウレタン製で太さ8Fr, 長さ22cmのシングルルーメンとし側孔2個を有した。男11例, 女8例の19例に対し22回にわたり2~30日間UKFCを留置し, 1~13回の体外循環を施行した。非使用時はUK固定化内栓を充填し, 持続点滴は行わなかった。患者には短時間の歩行が許可された。体外循環時の血流量は充分であり, カテーテル留置が原因と考えられる発熱は2回のみであった。12回でカテーテル抜去時に側孔部から先端部にかけてフィブリン血栓を認めたが, 血栓は吸引により容易に除去された。カテーテルのUK残存活性は約1%であったが, かなりのフィブリン溶解能が温存されていた。UKFCの優れた抗血栓性は, この残存UK活性と内栓による血液流入阻止効果によるものと考えられた。

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