著者
村上 雅彦 清水 喜徳 普光江 嘉広 李 雨元 李 雅弘
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.334-336, 1993

上部消化管内視鏡検査後に発症した急性胃粘膜病変の1例を経験したので報告する.症例は37歳男性.検診にて上部消化管内視鏡検査施行したが, 4日後突然に激しい上腹部痛出現し当院来院.再度内視鏡検査施行し, 前庭部を中心に出血性, 多発性の浅い小潰瘍が観察された.絶食, 補液, 抗潰瘍剤投与により1週間後には症状消失し, 1カ月後にはわずかな瘢痕を残すのみで, ほぼ完全に治癒した.近年, 上部消化管内視鏡検査の普及により, 本症は増加の傾向にあり, その発症に関してH.P.感染が有力視されており, 今後内視鏡機器の洗浄, 消毒に対し十分な注意が必要と思われた.

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