著者
臼井 充郎 宮本 二一 山田 浩隆 吉川 望海 八田 善夫 石井 博 小池 正
出版者
The Showa University Society
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.563-567, 1991

症例は81歳, 女性.貧血, 便秘を主訴に入院した.注腸X線造影にてS状結腸から下行結腸にかけ約18cmの腸管狭窄像を認めた.CFにては, 肛門輪より12cmの部位に周提形成し, 同部位より口側には挿入不可能であった.生検でGoupVのため, 左半結腸切除, 高位前方切除術施行した.切除標本では, 狭窄部の肛門側に浸潤潰瘍型大腸癌が認められ, 正常部をはさみ, stricture typeの閉塞性大腸炎が口側に認められた.<BR>本症例は, 既往歴にmicroangiopathyを惹起するような疾患はなく, 入院一カ月前に突然の腹痛はあったものの, 下血, 下痢等の閉塞性大腸炎の典型的な症状を欠いていた.大腸癌の口側に発症した閉塞性大腸炎が, stricture typeであり, 非可逆性変化を起こしていた場合は, びまん浸潤型大腸癌との鑑別は困難であり, その診断には, 細心の注意が必要である.

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こんな論文どうですか? びまん浸潤型大腸癌との鑑別が困難であった閉塞性大腸炎を合併した大腸癌の一例(臼井 充郎ほか),1991 https://t.co/76599uqW83
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