- 著者
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兵頭 政幸
北場 育子
- 出版者
- 一般社団法人 日本地質学会
- 雑誌
- 地質学雑誌 (ISSN:00167630)
- 巻号頁・発行日
- vol.118, no.2, pp.74-86, 2012
- 被引用文献数
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中国黄土高原の紅粘土層の帯磁率と石英粒径が示す,鮮新世末の冷涼乾燥化イベントは海洋酸素同位体ステージ(MIS)G6-G4(2.73-2.68 Ma)に対比される.このイベントの発生と同時に約3.6 Maから続く温暖湿潤気候は終了したが,気候はまだ温暖であった.紅粘土層を覆う最初のレスL33層がMIS 104氷河期に対比される.この氷河期の氷床拡大は小規模であったが,L33層が示す冬季モンスーンは鮮新世に入って最強級の強さであった.L33層の最下部から中部にかけて小反転を多数伴うガウス-マツヤマ地磁気極性トランジションが記録され,その直上の古土壌S32層の下限が第四紀の始まりとなる.日本列島においても黄土高原と同様の長期温暖湿潤気候が続き,それはMIS G6-G4頃の冷涼乾燥化で終結した.ただし,その時の気候は黄土高原と同じくまだ間氷期並みに温暖であった.