著者
東川 昌紀 梅野 英輔 松本 一郎 小田嶋 博 西間 三馨
出版者
日本小児呼吸器疾患学会
雑誌
日本小児呼吸器疾患学会雑誌 (ISSN:09183876)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.12-17, 1993

気管支喘息児11名に, single blind crossover法を用いて抗コリン薬であるipratropium bromide (以下I.B.) をスペーサーを用いて吸入させ, 非発作時の換気機能および高張食塩水吸入試験における効果を検討した。1) 非発作時の換気機能において, 末梢気道の指標とされるMMFやV<SUB>50</SUB>は低値を示した。2) I.B.吸入30分後には, FVCを除くパラメーターで気管支拡張作用を認めたが, MMFやV<SUB>50</SUB>においてより大きな改善が認められた。3) I.B.の前処置30分後には, 高張食塩水吸入試験の吸入閾値 (PD<SUB>20</SUB>.) は有意に低下した。以上の結果は, 抗コリン薬吸入による気管支拡張作用は末梢気道においても認められ, 喘息児の非発作時に認められる末梢気道の猿窄には, 迷走神経の持続的緊張状態が関与する可能性を示唆した。さらに, 非特異的気道過敏性の機序における迷走神経の関与が示唆された。

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気管支喘息児の非発作時の換気機能と高張食塩水吸入試験に対するipratropium bromideの効果 https://t.co/WFXIzNNu33

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