著者
岩井 紀子
出版者
Japan Society of Family Sociology
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.30-42, 2011
被引用文献数
5

本稿は,Japanese General Social Surveyのデータを基に日本の家族の変化をとらえ,現状を把握し,今後の方向について考える資料を提供する.2000年から2010年までに継続的に尋ねた85項目を14分野に分けて変化のトレンドを記述する:婚姻状態,同居世帯員,世帯構成,就労・所得,夫婦の働き方,階層意識,結婚観,性別役割意識・夫婦別姓,子ども観,セクシュアリティ,育児・介護の社会化,家族生活,墓についての意識,満足度・幸福感.個人も家族も,雇用情勢の変化に振り回されながらも,強い不満を抱くことなく,現実に向き合っている.若年層の無職・非正規雇用が拡大し,未婚率を押し上げ,未婚成人子の親との同居が増加した.女性の就業率は全体として高まり,M字の谷が浅くなった.高齢者の生活保障と介護の社会化に続いて,育児・教育の社会化が望まれている.若年層と女性の就労の変化が,家族の今後に与える影響は大きく,税制と雇用政策と福祉の全体像の改革に左右される.

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JGSS-2000〜2010からみた家族の現状と変化 https://t.co/2tNb3N1tFp
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