著者
栗田 季佳 楠見 孝
出版者
The Japanese Association of Special Education
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.481-492, 2012
被引用文献数
3

障害者に対する態度は両面価値的であるといわれているが、その構造は、明確にはわかっていない。本研究は、障害者に対する両面価値的態度について、態度の現れ方に関する表明次元と、態度の内容に関するステレオタイプ内容次元という2つの視点から検討した。大学生・大学院生30名に対して、潜在的および顕在的な障害者に対する評価、能力ステレオタイプ、人柄ステレオタイプを測定した。その結果、表明次元にかかわらず障害者に対して、ネガティブな能力ステレオタイプ(能力が低い)とポジティブな人柄ステレオタイプ(あたたかい)が存在することがわかった。障害者に対する評価は表明次元によって異なり、顕在的にはニュートラルであったが、潜在的にはネガティブであった。これらの結果は、障害者に対する両面価値的態度が表明次元と内容次元に生じていることを示している。

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