著者
村山 航
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.118-130, 2012
被引用文献数
17

妥当性とは曖昧な構成概念を扱う心理学にとって, もっとも重要な概念の1つである。妥当性というと「基準連関妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」という3つのタイプがあると一般に説明されることが多い(妥当性の三位一体観)。しかし, 1980年代以降の妥当性研究では, こうした妥当性のタイプ分けは適切ではなく, 「構成概念妥当性」という考え方にすべての妥当性は収斂するという考え方が主流である(単一的な妥当性概念)。本稿の前半では, こうした妥当性概念の歴史的変遷について, 思想的な背景や近年の議論などを踏まえた解説を行った。本稿の後半では, 妥当性に関するより実践的なトピックを取り上げ, 心理測定学的な観点から議論を行った。具体的には, 1. 「内容の幅の広い項目群を用いた尺度作成」というアイディアと伝統的な心理測定学的モデルの矛盾, 2. 「個人間相関」と「個人内相関」を区別することの重要性とその関係, そして3. 心理学における「尺度の不定性」が結果の解釈などに与える影響などについて議論を行った。

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@awellbottom 補足1。そもそもテストの目的にもよります。テスト得点を使って受験生を選抜したい時に,その時点の能力だけを評価したいのか,それとも将来(大学4年間+α)の可能性を評価したいのかによって,論じるべき妥当性は変わってきます。妥当性とはこちらを参照のこと。https://t.co/M1ZK2Mo50j
CiNii 論文 -  妥当性 概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察 http://t.co/Wxbf7c8wOr #CiNii

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