- 著者
-
山内 清
河原 聡
竹之山 愼一
- 出版者
- 日本酪農科学会
- 雑誌
- ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.1, pp.17-31, 2003
- 被引用文献数
-
1
本稿では、反芻動物由来食品のCLAに関わる諸要因に焦点を絞って文献並びに筆者らのこれまでに得られた結果を踏まえて概説すると同時に、最近明らかにされた生体組織でのt-バクセソ酸からのCLAへの変換の概要を記述する。さらに乳製品に利用される乳酸菌などの中には、リノール酸を基質としてCLAを生合成する菌種がスクリーニソグされているので、そのことについて紹介する。また高CLA牛乳から製造した高CLA含有バターをラットに投与して、ラットの乳腺腫瘍の抑制効果を確認した実験の紹介をする。最後に、これまでに明らかにされた実験動物(in vivo)およびヒトに対するCLAへの生理機能の具体的研究動向を経年的に表示して紹介する。