著者
池田 安隆
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.10-29, 1979
被引用文献数
7

大分県中部の第四紀火山地域には,短く屈曲に富んだ正断層が多数発達するが,その多くが地溝をなして分布している.このうちの主要な2つの地溝万年山地溝および速見地溝について,その具体的な発達過程を明らかにすることを試みた。両者は筑紫熔岩の流出後,およそ80~50万年前に活動を始めた.断層運動と並行して地溝内での火山活動があり,万年山地溝では万年山熔岩が,速見地溝では山陰系の火山岩類が噴出した.これらの噴出口の配列から,地溝中心部にはマグマの通り道となった開口割れ目が存在すると考えられる.速見地溝の北西縁では内側の断層の方が外側の断層より活動時期が新しい.これは開口割れ目を境にして両側のブロックが展張していくとすれば説明できる.地溝周辺の隆起も,開口割れ目の生成に伴う周囲の変形として説明できる.地溝を形成する断層運動自体は,開口割れ目の生成に伴う付随的な運動であろう.

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