著者
新海 明 新海 栄一
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.149-154, 2002
被引用文献数
5

ムツトゲイセキグモは日本にいる稀産の2種のナゲナワグモ類のうちのひとつである. 本報告は, 野外におけるムツトゲイセキグモの生活史, 若令幼体がもちいる餌捕獲法, および本種のメス成体や亜成体がもちいる「投げ縄」網の作成行動についてのはじあての観察記録である. ムツトゲイセキグモは年一世代の多回 (3-6回) 産卵のクモであり, ふ化した幼体は卵のう内でそのまま越冬した. 若令幼体とオスは投げ縄を使わず, 葉の縁で狩りをしていると考えられた. 亜成体と成体のメスは蛾を捕獲するために投げ縄を使用した. 投げ縄作成行動は, 投げ縄を第1脚のかわりに第2脚でもつ以外はナゲナワグモ属のものとまったく同一だった. ときどき, 2個の粘球がついた投げ縄を作ることがあった.

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