著者
寿円 晋吾
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.557-571, 1965
被引用文献数
1

武蔵野台地南部は多摩川の形成した段丘地形の発達するところで,上から下に武蔵野・立川・青柳・拝島の四段丘と,拝島以西に発達する沖積段丘が識別される.またこの地域の東部には,武蔵野段丘よりも一段高い田園調布台・荏原台・淀橋台が発達するが,それらは海成段丘で,多摩丘陵東部の下末吉段丘に対比されている.<br> 筆者はさきに,武蔵野台地西部において,立川段丘が武蔵野段丘の上に重なる合成扇状地の地形発達を示すことや,段丘面の縦断投影図において,立川段丘面が武蔵野段丘面や現河床に斜交し急勾配であることに着目し,台地の地盤運動を考察した。すなわち,台地は武蔵野段丘面の形成後から立川段丘面の形成前に,武蔵野段丘面と立川段丘面との交点付近を中心として,上流方向が下がり,下流方向が上がるような傾動をし(両段丘がcrossingterracesをなした原因),また,台地は立川段丘面の形成後から現在までに,上流が下流に対して相対的に上がるような傾動をしている(立川段丘面の急勾配の原因)と考えた.<br> しかし,台地の段丘地形が主として海水準変化によるものか,地盤運動によるものかを考察するためには,まず各段丘面の傾動を定量的に知る必要があると考えた.そこでこの問題を解決するため,砂礫を仲介として,段丘面形成時代の河床(元河床)の距離一高度曲線(縦断曲線)を知る方法を案出し,本研究を行なった.<br> ここにまず,本研究の基礎である多摩川の現河床および各段丘の地形学的観察について述べた。

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