著者
藤巻 裕蔵
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.40-52, 1980
被引用文献数
1

1.十勝地方西部の新得山とその周辺の鳥類について,1976~79年に調査した。<br>2.落葉広葉樹林,造林地,農耕地,住宅地の5調査区で76種が記録された。各調査区の種類数は落葉広葉樹林でもっとも多く,ついで農耕地,造林地,住宅地の順で少なくなった。また多様性も林で大きく,住宅地で小さくなる傾向がみられた。<br>3.繁殖期における優占種は,落葉広葉樹林でアオジ,キビタキ,ハシブトガラス,センダイムシクイ,シジュウカラなど,造林地ではアオジ,ベニマシコ,モズ,ホオジロ,カワラヒワなど,農耕地ではスズメ,アオジ,キジバト,ハシボソガラスなど,住宅地ではスズメ,ハシボソガラス,シメなどであった。鳥相の類似性は,新得山の林と佐幌川沿いの林,農耕地と住宅地の間で割合高く,その他の環境同志の間では低くかった。

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