著者
姉崎 悟
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.105-151, 2012-03-30 (Released:2014-03-30)
参考文献数
70
被引用文献数
2 or 0

Information collected on birds found in Kita-daito and Minami-daito Islands before World War II revealed records of 85 species, and ambiguous records of 14 species. In the two islands, local populations of the Buzzard Buteo buteo and the Wren Troglodytes troglodytes are considered to be endemic subspecies. However, the absence of information about breeding of these two species before WWII leaves open the possibility that these populations may be other subspecies. The environment of the Daito Islands has changed greatly since reclamation started in 1900, and since that time all seabirds and four species of land birds have become extinct there, and four species have become newly established. The number of the current resident species is 13, which is the same number as that just before the reclamation, which suggests that the resident avifauna may have restabilized.
著者
久井 貴世
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.9-38, 2013-09-30 (Released:2016-03-24)
参考文献数
44

江戸時代に著された史料を用いた調査に基づき,江戸時代の史料に記載されたツル類の名称のうち,タンチョウGrus japonensisに関連する六つの名称について整理と再考察を行った。江戸時代の日本では,当時の西洋や現代とは異なる独自の分類体系が有効に機能していたが,史料中では多様なツルの名称が用いられていた。記載された名称と種の対応は著者や時代によっても解釈が異なり,史料によって齟齬が生じることが明らかとなった。さらに,一般名と一致しない地方名も存在し,地域による定義の違いも確認できる。本草学的には「鶴」の代表はタンチョウである場合が多いが,地域によってはマナヅルG. vipioやソデグロヅルG. leucogeranusを表わす場合があった。「丹鳥」は現在では単線的にタンチョウと結びつけられているが,史料によって多様な解釈がみられ,明確な種の特定にはいたらなかった。「白鶴」はほとんどの場合ソデグロヅルを指すが,地域によってはタンチョウを表わす場合もあった。「琉球鶴」は特定の一種を指す名称ではなく,琉球を経て日本へもたらされた外国のツルの総称であると推測できる。「朝鮮鶴」はタンチョウを指す事例が確認できたが,朝鮮に由来するツルの総称として用いられていた可能性が高い。江戸時代の名称を現代の種に対応させる際には,史料による同定の不一致や地域による定義の差異などに留意する必要がある。
著者
河野 裕美 水谷 晃
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.108-118, 2015-03-20 (Released:2017-03-20)
参考文献数
20

カツオドリSula leucogasterは,世界の熱帯から亜熱帯海域に4亜種が分布する.本種は島嶼間の移動が少なく,遺伝的交雑が低いと考えられてきた.しかし,東太平洋海盆を挟んで西側に生息する亜種カツオドリS. l. plotusが東方へ,東側に生息する亜種シロガシラカツオドリS. l. brewsteriが西方へそれぞれ分散して繁殖した例が報告されている.さらに,西部太平洋に位置する琉球列島南部の仲ノ神島において,2009年5月17日に頭部から頸部が白色の亜種シロガシラカツオドリの成鳥の雄1羽が飛来した.その後,2014年まで,同じ場所で同個体と思われる雄が断続的に確認され,2012年から2014年まで仲ノ神島個体群の繁殖スケジュールと同調して,亜種カツオドリと思われる雌と繁殖し,雛を巣立たせた.さらに2011年以降には,同島の別の場所で白色頭部の雄1羽が断続的に記録されるようになった.この雄は雌に対する求愛を行ったが,2014年までつがいは形成されなかった.本観察により亜種シロガシラカツオドリの日本における繁殖行動が初めて確認され,同時に別亜種の繁殖地に飛来した個体によるつがい形成から繁殖までの過程を記録できた.
著者
三上 修 森本 元
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.23-31, 2011-09-30 (Released:2013-09-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1 or 0

A previous study has demonstrated that the population size of the Tree sparrow Passer montanus in Japan is declining. To confirm this, we examined reports on the number of tree sparrows banded in Japan from 1987 to 2008. If the population size of the tree sparrow is actually diminishing, then the numbers banded should also reflect this. Results showed that the number of tree sparrows banded over this period decreased by more than half, and support previous studies documenting the decline of the tree sparrow in Japan.
著者
鈴木 惟司 森岡 弘之
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.45-49, 2005-09-30 (Released:2007-09-28)
参考文献数
22
被引用文献数
5 or 0

メグロApalopteron familiare は小笠原諸島 (小笠原群島) 固有種で, 母島列島と聟島列島で分布が確認され, 前者では現在も生息, 後者では戦後の生息確認はないものの, 戦前に生息が確認されている。しかし, 小笠原群島の中央にあって最大の島父島をもつ父島列島においては, メグロの確実な生息・分布記録を示す資料が知られず, 過去における当地のメグロの分布状況は不明確なままであった。筆者らは, メグロが父島に生息していたかどうかを検討するため, メグロの記載者であるKittlitzのものを含む古い文献を再調査した。その結果, Kittlitzの書き残した文書の中に彼自身が1828年に父島でメグロを観察したことを示す記述を見いだし, メグロがかつて父島にも生息・分布, その後何らかの理由で絶滅したとの結論を得た。
著者
白井 剛
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.79-91, 2013-03-30 (Released:2015-03-30)
参考文献数
53

アオサギArdea cinereaの繁殖地への執着性と個体の長期的繁殖履歴を明らかにするために,東京近郊の繁殖コロニーにおいて,幼鳥50個体と成鳥19個体に色足環を装着し,9年間にわたる追跡調査を行なった。幼鳥50個体のうち,38個体 (76.0%)については,その後出生コロニーでは観察されなかった。出生コロニーに戻ってきた12個体のうち,4個体 (33.3%) は2歳から,2個体 (16.7%) は3歳から,1個体 (8.3%) は4歳から繁殖を開始したが,残り5個体 (41.7%)はそこに滞在するものの繁殖は認められなかった。これら12個体のうち,2個体は9年後も生存していた。一方,成鳥19個体のうち18個体 (94.7%)は,翌年以降も再確認された。アオサギは,このように,同じ繁殖コロニーを毎年利用する傾向があった。毎年繁殖した場合,コロニー内の同じ場所に営巣することもあれば,違う場所に営巣することもあった。繁殖は,通常1年1回であったが,ときに (9%の巣で)2回続けて行なわれた。観察を行なった9年間では,22個体の雛を巣立たせたオスが最大の繁殖成功を示した。雌雄とも個体識別された4つがいの繁殖履歴を見ると,例外はあるが,どちらかがいなくなるまでつがい相手をかえない傾向があった。毎年,非繁殖期 (秋から冬)になると,繁殖コロニーでは見られなくなる個体が多い。そうした個体は,繁殖コロニーから離れた川沿いで目撃され,個体ごとに目撃場所が決まっていることが多かった。つまり,繁殖コロニーと非繁殖期の採餌場の移動を毎年繰り返している可能性がある。サギ類では,一般に巣立ち雛は長距離移動を行うことが知られている。今回のアオサギの追跡観察においても,幼鳥に足環を付けてから54日後に,出生コロニーから南西に1,580 km離れた久米島で確認された個体がいた。
著者
鳥居 憲親 江崎 保男
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.15-24, 2014-09-30 (Released:2016-09-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1 or 0

イソヒヨドリは,国内ではもともと,崖や岩のある海岸に生息し繁殖するが,近年になって内陸の都市での繁殖が確認されるようになった。そこで,2011年5月から2012年12月までの20ヶ月間,海岸から20 km離れた内陸部に位置する兵庫県三田市のニュータウンでセンサスと行動観察を行なった。本種は調査地に周年生息する留鳥であったが,特に高層建築物が密集する地区に多く出現し,オスのなわばりもこの地区に偏って存在していた。オスは高い場所において高確率でさえずり,隣接オスとのなわばり闘争においては,隣接者よりも高い場所でさえずろうとした。イソヒヨドリのオスは高層建築物をソングポストとして利用し,高い位置からさえずることによって,なわばりの形成と防衛を行なっていると考えられる。また,本種は高層建築物に隣接した草地の地表面で,地表性の小動物をとっていた。したがって,都市においては高層建築物と草地のセットこそが,イソヒヨドリの好適なハビタットを形成しており,本種のハビタットに必要な空間構造は,高さを生み出す崖地形と,これに隣接し地表性動物が豊富に存在するオープングラウンドのセットであることが示唆される。また,人が創り出した崖地形としての高層建築物と芝生などのオープングラウンドのセットを巧みに利用することにより,本種は都市への進出を果たしたのだと考えられる。
著者
北川 珠樹
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.41-54, 2014

マナヅル<i>Grus vipio</i>は,ツル科の中でも,最も絶滅の危ぶまれる種の一つであるが,その生態については,あまり知られていない。私は2011–12年にロシア南東部に位置するムラヴィオフカ公園においてマナヅルの繁殖生態の調査を行った。公園での産卵期間は4月18日よりはじまり25日間に及んだ。抱卵は雄雌が行い,1日あたり平均7.3回の抱卵交代が行われた。抱卵期間は33–35日で,孵化成功率は少なくとも56.3%と推定された。抱雛は雌のみが行った。観察した行動を11のカテゴリーに分けてまとめて,行動配分を調べた。雄雌間の各行動カテゴリーの時間配分には抱卵期,育雛期それぞれに有意差が見られた。抱卵期と育雛期の間の雄雌それぞれの行動配分にも有意差がみられた。こうした行動配分の違いと雛の生残性に関わる雄雌の行動の役割の違いの適応的意義については今後の研究課題としたい。
著者
堀本 富宏
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.87-90, 2004-09-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
5
被引用文献数
2 or 0

One to five Magpies were observed in 1984, and almost every year from 1992, in Muroran, Noboribetsu, Shiraoi and Tomakomai, Iburi District, south-western Hokkaido. They nested in 1993 and 1994 in Muroran, in 1998 and 2000 in Noboribetsu, and in 1996 and 1998 in Shiraoi. In Wanishi, Muroran, two young with an adult were observed in the summer of 1993, strongly suggesting that they bred there. Based on these observation records, the Magpie is considered to be resident in this area.
著者
平山 琢二 福田 真 平川 守彦
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-8, 2013-09-30 (Released:2016-03-24)
参考文献数
17

今回の調査では,ヤンバルクイナの鳴き声の経時変化ならびに季節変化を観察し,ヤンバルクイナの活動との関連性について検討した。鳴き声は4~6月に特異的にkekソングを多く確認した。また,鳴き声の時間帯は季節によって異なり,3~6月は6~9時および15~18時にもっとも多く確認できたのに対し,8~10月は18~21時に多く,11~2月は12~15時に多かった。これらのことから,ヤンバルクイナの鳴き声の頻度ならびに時間帯は季節によって変化することが示唆された。また,ヤンバルクイナの発する「kekソング」は,4~6月の繁殖期に多く観察されたことから「kekソング」と繁殖行動の関連性が示唆された。
著者
高橋 松人
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.33-46, 2011-09-30 (Released:2013-09-30)
参考文献数
13

The Copper Pheasant Syrmaticus soemmerringii is endemic to Japan and information on its breeding ecology in the wild is fragmentary. To examine the breeding schedule and mating system of this species, I set artificial feeding stations at three sites in Mie Prefecture, Japan, from 2003 to 2009, and observed courtship display, drumming, wattle around the eye, and molt of individuals. Individuals were identified mainly by body (and tail) size and plumage color. The egg-laying period was estimated to be from mid-March to April, based on the breeding schedule of individuals in cages. Males and females had bright red wattles from late-February to April and late-February to May, respectively. The mating period was obscure because courtship displays were observed in June, September and November. Males molted their tail from late June to early November. Some young females and adult females used feeders together until the following May. If they belonged to the same family, the family period lasted for one year. Young males disappeared from the family group in late August. At each feeding station, there was one male and female that continued to use the feeder and appeared together at the feeder. Although other males and females sometimes used the feeder, courtship displays were observed only between the male and female that used the feeder continuously. Only the male that continually used the feeder showed drumming by wing whirring. These results suggest that the Copper Pheasant is socially monogamous.
著者
川名 国男
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.96-101, 2010-09-30 (Released:2012-12-04)
参考文献数
3

The song of the Japanese Night Heron Gorsachius goisagi has long been known from its distinctive low, carrying call which sounds like ‘ivoh—’. The actual status of the song, however, has little been studied. The author conducted a comparative survey of the song at song posts and during the breeding period at breeding sites in Tokyo in 2008, using a digital voice recorder and a digital video camera to record the song. The study documented the song at song posts during night for 10 consecutive nights. The song usually continued from sunset until next morning and in an extreme case, lasted for 10 hours. However, once a breeding pair was established, they immediately stopped singing and thereafter, the song was not observed during the breeding period regardless of day or night. Results of this study suggest that the singing activity of the Japanese Night Herons is done intensively at night for a short period from immediately after their arrival in Japan up until pair formation occurs, and that thereafter, no singing occurs either during the daytime or at night. The Japanese Night Heron derived its common name from the belief that it was a nocturnal species. This might be because male birds sing intensively only at night. However, the results of the present and previous studies revealed that this species to forage exclusively during the daytime both in the breeding and non-breeding seasons. This species can therefore be considered diurnal, except for short periods.
著者
山内 健生 尾崎 清明
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.97-99, 2007-03-20 (Released:2009-03-20)
参考文献数
6

2005年8月21-22日に沖縄島国頭村西銘岳で2雌の Ornithoica exilis(ハエ目:シラミバエ科)を2個体のヤンバルクイナ Gallirallus okinawae 幼鳥の体表から採集した。宿主のヤンバルクイナはいずれも良好な健康状態であった。今回の記録は沖縄島における O. exilis の初記録であり,ヤンバルクイナは O. exilis の新宿主記録となる。
著者
本郷 儀人 金田 大
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.90-95, 2009-03-20 (Released:2011-03-20)
参考文献数
15
被引用文献数
5 or 0

一般にフクロウはネズミなどの小型哺乳類や小型鳥類及び両生類などを主食とし,昆虫類は稀にしか捕食しないと考えられている。しかしながら我々は,フクロウが,餌動物としてはこれまでに報告がなかったカブトムシを捕食することを発見した。さらに,フクロウのカブトムシに対する狩り行動についても観察することができた。そこで,フクロウの詳細な狩り行動についてと,夏季のある時期に非常に頻繁に捕食することを合わせて報告する。
著者
本田 裕子 林 宇一
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.74-100, 2009-09-20 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
3 or 0

To evaluate people's opinions concerning the release of the Japanese Crested Ibis Nipponia nippon, a questionnaire was mailed throughout Sado City, Niigata Prefecture, Japan. The 1,000 target individuals were selected randomly from within the 20 to 79 year age group. Results from the 591 respondents indicated almost 74% to have appreciated the release, and only 26% have neither agreed nor disagreed. The most common reason people gave for their appreciation was “they have lived here”, though only 16% of the people had actually seen the Japanese Crested Ibis in the wild. Their concerns related to the release were related mainly toward the success of the release rather than to any harm the birds might cause to crops. Especially, they worried about the released Japanese Crested Ibis survival. These results may be affected by the media like TV. Many people treated Japanese Crested Ibis as a local symbol, or a symbol of nature, and only a few viewed the bird as a potentially commercial venurte. Similar results were obtained from a questionnaire on the Oriental Storks Ciconia boyciana in Toyooka City. The releases in the past have been done far from the villages. This Japanese Crested Ibis release is the second case done near the villages, just after the release of the Oriental Storks. The sequential research will be done to compare the two questionnaires relating to the Oriental Stork and the Japanese Crested Ibis.
著者
岡部 篤行 佐藤 俊明 岡部 佳世 中川 貴之 今村 栄二 松下 和弘 長野 一博 石渡 祥嗣 飴本 幸司 林 良博 秋篠宮 文仁
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.30-39, 2006-09-30 (Released:2009-02-13)
参考文献数
5

当報告書は,無線LAN位置システム(以下システム)を放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用可能かどうかを調べた結果を報告するものである。システムは,連続的な地面上にいるニワトリの位置を1 mのグリッド交差点上の点として表し,ニワトリの軌跡はその点列として表す。システムは,ニワトリの位置を1秒ごとに記録することができる。実験は8羽のニワトリと2羽のホロホロチョウを170 m×90 mの広さの公園に放って5日間にわたりその軌跡を観察した。分析に利用可能なデータは3日間得られた。システムによって得られる位置のデータは雑音を含むため,位置データは確率変数として扱った。データ分析により,位置の精度は,確率0.95で2.6 m,すなわち,真の位置が,観察された位置を中心に半径2.6 mの円の中にある確率が95%であると判明した。ニワトリの生活圏は,その場所にニワトリがいた確率密度関数として表現した。その関数はバンド幅が2.6 mのカーネル法で推定をした。軌跡は移動平均で推定した。実験の結果,システムは放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用できることが判明した。