著者
藤巻 裕蔵 小西 秀典
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.81-91_1, 1996
被引用文献数
2

1.1990年2~3月に北海道全域にわたりエゾライチョウの繁殖&bull;生息状況に関するアンケート調査を行ない,1,912の調査票を配付し1,561名からの回答を得た(回答率81.6%)。<br>2.観察された月は,9~11月に多く,次いで5,6月で多かった。<br>3.一度に観察された個体数は,2羽の場合が最も多く47%を占め,次いで1羽であったが,3羽以上の場合もかなりあった。平均観察個体数は,4~5月には2.7&plusmn;1.9羽,6~8月には3.4&plusmn;2.9羽,9~10月には3.4&plusmn;2.8羽,11~3月には3.3&plusmn;2.8羽であった。<br>4.巣の発見は主に5,6月で,1巣の卵数は,5.9&plusmn;2.4卵であった。また,家族群中の幼鳥数は,観察された月間で差はなく,5.4&plusmn;2.1羽であった。<br>5.回答者で狩猟者のうち,エゾライチョウ猟に出たのは224(36%)で,出猟者1人あたりの捕獲数は4.1&plusmn;5.7羽であった。<br>6.捕獲されたうち,雄は532羽,雌は340羽,不明56羽であった。<br>7.北海道3,652区画(1区画は約5km四方)中,1,425区画,39%で生息が確認された。植生別では,針葉樹林と落葉広葉樹林の区画が多く,標高別では200~800mで多かった。<br>8.アンケート調査から得られた結果のうち,生息の有無に関する情報はかなり信頼できるが,生息数は既存の観察例と比較すると,やや過大であると考えられる。

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