著者
持田 勲 光来 要三 坂西 欣也 藤堂 義夫 大山 隆
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.101-106, 1991

比較的パラフィニックなFCCデカント油 (FCC-DO) との共炭化において, 低硫黄減圧残油 (LSVR) を熱処理することによってボトムモザイクコークスの消去を試みた。その結果420°C(1~5h) という非常に限られた条件でLSVRを熱処理するとモザイクコークスが消去できた。熱処理によってLSVR中のアスファルテン分が分解され, ベンゼン不溶分やメソフェーズをわずかに生成するのみで, 芳香族性を向上させることができた。こうした熱改質は, アスファルテン成分の炭化時の熱安定性とFCC-DOへの溶解性を向上し, 炭化初期におけるメソフェーズの相分離が抑制できるため底部モザイクが生成しないのであろう。

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