著者
秋鹿 研一
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.112-122, 1994
被引用文献数
1

メタンの酸化カップリング反応の反応機構の特徴を分かりやすく示し, 触媒設計に役立つ速度式を提案し, 他の研究と比較して論じた。<br>反応を(1)酸素分子の表面活性化, (2)表面酸素によるメタンの脱水素, (3)メチルラジカルの酸化, (4)メチルラジカルのカップリングによるエタン生成の4過程に分け, 定常状態法を用いた速度式を導いた。第3過程は, 本来は100以上のラジカル素反応からなるものを"Magic number <i>x</i>"を用いることにより一つの式で与えたものである。この取り扱いによりこの反応の特異な選択性支配 (高温, 低酸素濃度, また触媒の比表面積の小さいほどC<sub>2</sub>化合物選択率が高い等) を説明することができた。<br>この方法は転化率の低い条件で種々の触媒の反応結果を統一的に比較し, その特性を明らかにするのに役立つが, 触媒設計が終わり, 高転化率での反応操作設計のための速度式としては, むしろべき乗型の経験式の方が簡便で有用であることを指摘した。

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