著者
大塚 茂
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.235-241, 1986

ケージ内における破卵発生機構を解明する目的で,あらかじめ,ケージ床前部に正常卵を5個配置し(静止卵),別の正常卵をケージ内部の中央へ,手動で1個ずつ投下して(落下卵),両卵を強制的に衝突させ,破卵を誘発する方法を用いて試験を実施した。供試したケージ床は,スノコ縦線間隔が20•24および25mmの3種類である。これらのケージ床を傾斜角度可変の架台に,それぞれ設置し,卵同志の衝突破卵の発生状況を検討した。また,スノコ縦線間隔22.7mm,傾斜角度8°のケージ床を用い,卵の転がり落ち方と破卵の関係を検討した。<br>投下された卵は,その後,床を短径軸回転で落下するものと,長径軸回転で落下する2型に分かれて,静止卵に衝突した。両型の出現割合は約6:4であった。<br>卵同志の衝突で,2個が同時破損した例はみられず,1個破損であった。静止卵と落下卵の内,どちら側が破損するか,その決定に当っては,卵殼の厚さが大きく影響を及ぼしていることが認められ,卵殼厚の薄い側の卵が破損する。また,卵の転がり落ち方の影響も若干関与しているものと思われ,短径軸回転落下型は落下卵側の方が,長径軸回転落下型は静止卵側の方が多く破放する傾向がみられた。<br>ケージ床のスノコ縦線間隔が狭い程,また,傾斜角度が急な程,卵同志の衝突破卵が多く発生した。この条件に最も近い20mm×7°区では60回中53回破卵が発生したのに対して,逆条件下の25mm×4°区では,僅か7回の破卵発生であった。全体の平均破卵発生率は54%でおった。

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