著者
伊東 清枝 石川 由里子 新井 映子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.355-361, 1989

メレンゲおよび焼きメレンゲを調製する場合に添加する砂糖量および酸類が, 卵白の起泡性および膨化性におよぼす影響について検討した結果, 以下のことが明らかとなった.<BR>1) 卵白に添加する砂糖濃度を 50~200% の範囲で変化させてメレンゲを調製した結果, 砂糖濃度の増加にともなってメレンゲの比重は大きくなったが, 焙焼した焼きメレンゲの比重は 180% の場合に最小となった.すなわち, 卵白溶液中に含まれる水分に対して飽和量 (卵白重量の180%) の砂糖を添加した場合に, 最も膨化性のよい焼きメレンゲが得られた.<BR>2) 焼きメレンゲの膨化性は, 焙焼中の水分蒸発量と密接な関係があり, 水分蒸発量が少ない焼きメレンゲほど膨化状態がよかった.<BR>3) 卵白に酒石英, クエン酸および酢酸を添加してpH 4.8 に調整した後起泡させた結果, いずれの酸類もメレンゲの起泡性は助長されたが, 焼きメレンゲとした場合には, 酒石英添加のみ, 砂糖濃度の影響を受けずに膨化性が高まることがわかった.

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