著者
加藤 貴昭 福田 忠彦
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.333-340, 2002
被引用文献数
12

本研究では野球の打撃において, 打者が投手の投球動作から視覚情報を得る準備時間相に注目し, 熟練打者と非熟練打者の眼球運動から視覚探索活動における有効なストラテジーについて考察した. 特にライブ状況でのフィールド実験により, 実践的な場面における周辺視特性の活用について考察を行った. 熟練者グループとして大学野球部員, 非熟練者グループとして一般の大学生が実験に参加した. 被験者は実際に打席に立ち, 投手による投球を観察し, その際の眼球運動が計測された. その結果, 熟練者の視線配置分布は非熟練者のものと比べ狭い範囲に及んでいた. 特に熟練者は投球動作を予測して投球腕が振られるであろう位置にあらかじめ視線を固定させ, 投球腕の肘近辺を中心に視支点を置き, 網膜の周辺部分で投手像全体を捉えて, 投球動作から動的な情報を効率よく収集する体系的な視覚探索ストラテジーを用いていることが確認された.

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