著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.479-484_1, 1979-06-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
2
被引用文献数
14 14

運動刺激に対する網膜各部位の機能差を最小刺激条件および最大刺激条件から検討した.その結果, 中心視における最小刺激条件は空間分解能により支配されるが, 周辺視では空間分解能以下の運動でも動きの知覚が成立すること, また, 運動を知覚しうる最大速度は周辺視の方が中心視より勝ることなどを明らかにした.
著者
加藤 貴昭 福田 忠彦
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.333-340, 2002-12-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19
被引用文献数
16 12

本研究では野球の打撃において, 打者が投手の投球動作から視覚情報を得る準備時間相に注目し, 熟練打者と非熟練打者の眼球運動から視覚探索活動における有効なストラテジーについて考察した. 特にライブ状況でのフィールド実験により, 実践的な場面における周辺視特性の活用について考察を行った. 熟練者グループとして大学野球部員, 非熟練者グループとして一般の大学生が実験に参加した. 被験者は実際に打席に立ち, 投手による投球を観察し, その際の眼球運動が計測された. その結果, 熟練者の視線配置分布は非熟練者のものと比べ狭い範囲に及んでいた. 特に熟練者は投球動作を予測して投球腕が振られるであろう位置にあらかじめ視線を固定させ, 投球腕の肘近辺を中心に視支点を置き, 網膜の周辺部分で投手像全体を捉えて, 投球動作から動的な情報を効率よく収集する体系的な視覚探索ストラテジーを用いていることが確認された.
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.492-498, 1978-06-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4
被引用文献数
5 2

アルファベット, 単純幾何学図形などを刺激図形とし, これを網膜上の各部位に短時間呈示した場合の見え方を測定した. その結果, 網膜上における視機能は, 周辺部では比較的単純であるが中心部になるほど複雑で高次のものとなる階層構造を形成していること, しかもそれは視覚心理における機能的構造の反映であることを明らかにした.
著者
宮宇地 秀和 福田 忠彦 諏訪 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.13-18, 2005-02-18
被引用文献数
1

本研究は合奏を構築するプロセス,及びそこで見られるコミュニケーションを分析し,熟達者がどのようにして合奏という協調活動を維持しているのかを明らかにするのが目的である.本稿では音楽大学に通う,ペア内で経験の長さの違う女子学生1ペアに焦点をあて,2曲のヴァイオリン二重奏曲の主に合奏練習の過程で生理計測を行い,発話を収録した.眼球運動を計測した結果からは,合奏中には2回しかアイ・コンタクトが行われていないことがわかった.また,呼吸運動データの分析からは,個人,合奏練習にかかわらず,練習の最後の演奏の方が振幅,呼気相間の長さが共に多様になることがわかった.さらにプロトコル分析手法により,ペア内でより経験の長い奏者は音楽的アイデアを楽譜の音楽的形式や強弱,つながり等の要素に基づいて生成し,又それを言葉よりも演奏や弓のジェスチャなどによって表現し,伝達する傾向が明らかになった.The purpose of this study is to prove how expert maintain cooperative activity in ensemble by analyzing process of constructing ensemble and communication in ensemble.Focusing on a pair of female music academy student that there was a difference in experience between player while practicing two pieces of duet for violins,psychological data was measured and protocol was recorded.Analysis of eye movement proved that there was only twice eye-contact in ensemble.Analysis of respiration proved that an amplitude and expiration interval of respiration diversified in the latter performance of rehearsal both separated and joined practice.Protocol analysis revealed that more experienced expert tended to create musical ideas based on musical form or elements from music and convey these by musical performance or gesture than by language.
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.492-498, 1978-06-01
被引用文献数
4 2

アルファベット, 単純幾何学図形などを刺激図形とし, これを網膜上の各部位に短時間呈示した場合の見え方を測定した.その結果, 網膜上における視機能は, 周辺部では比較的単純であるが中心部になるほど複雑で高次のものとなる階層構造を形成していること, しかもそれは視覚心理における機能的構造の反映であることを明らかにした.
著者
小林 紀子 臼井 俊博 新井 清一 福田 忠彦
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.36-44, 2002-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

人は種々の肌状態を評価する際に, 顔のどの部分をどのように見て判断しているのであろう。本研究の目的は, スキンケアで重視しなければならない部位や, 美しい肌を演出するために重視すべき部位を明らかにすることである。測定方法は, 「キメの粗さ」「つや」「なめらかさ」「肌の美しさ」など14項目についてモデルの肌を評価し, その際の眼球運動データを測定した。その結果, 頬や鼻は多くの評価項目において注視されることがわかった。「毛穴の目立ち」の評価では鼻の頭や小鼻のあたりに注視がみられ, 主観申告による判断部位と一致していた。また, 「つや」の評価では, 鼻の頭や頬のふくらんだ部分に注視の集中がみられた。このように, 評価する肌項目によって注視される部位が異なっていることが本研究より明らかとなった。さらに, 「肌の美しさ」の評価では, 頬上部から鼻周辺, 口周辺, 頬下部の範囲に注視が分布した。本研究により, 肌を評価する際の眼球運動が定量的に示された。このことは, スキンケアや美容に関するカウンセリングに役立つ情報が得られるだけでなく, 新しい皮膚計測法の開発において, 測定すべき部位を決めるためにも役立つと考えられる。
著者
加藤 貴昭 福田 忠彦
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.333-340, 2002
被引用文献数
12

本研究では野球の打撃において, 打者が投手の投球動作から視覚情報を得る準備時間相に注目し, 熟練打者と非熟練打者の眼球運動から視覚探索活動における有効なストラテジーについて考察した. 特にライブ状況でのフィールド実験により, 実践的な場面における周辺視特性の活用について考察を行った. 熟練者グループとして大学野球部員, 非熟練者グループとして一般の大学生が実験に参加した. 被験者は実際に打席に立ち, 投手による投球を観察し, その際の眼球運動が計測された. その結果, 熟練者の視線配置分布は非熟練者のものと比べ狭い範囲に及んでいた. 特に熟練者は投球動作を予測して投球腕が振られるであろう位置にあらかじめ視線を固定させ, 投球腕の肘近辺を中心に視支点を置き, 網膜の周辺部分で投手像全体を捉えて, 投球動作から動的な情報を効率よく収集する体系的な視覚探索ストラテジーを用いていることが確認された.
著者
神保 有紀 福田 忠彦
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.281-288, 1997-10-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
16

近年, 日本の多くの駅で発車予告の合図に音楽を用いている (以下「ベル音楽」と称す). 本研究は, ベル音楽とそれのもたらす心理的効果との関係について分析し, 併せてその利用環境についての考察を行い, 発車予告にふさわしいベル音楽のあり方を提案することを目的とした. 発車認知に関するアンケート調査の結果から, 駅利用者が急いでいるときほど聴覚的情報を手がかりとし, なかでもベル音楽を望む人が多数を占めることがわかった. そして, フレーズパターンの試聴実験により, そのベル音楽は, 人の歩く速さよりやや速めのテンポ, 上行形のメロディーライン, ドミナントを経由しトニックで終わる和声進行などの音楽的構造を備えていることが好ましいこと, さらにリズムの刻み方によりふさわしいテンポが異なること, 年齢によりテンポの感じ方が異なることなどが明らかになった.
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.210-216_1, 1978-03-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1

ちらつき光に対する視野各部の感度特性をCFFを指標に求めたところ, 小面積視標の場合は網膜上の視細胞 (錐体・杆体) の密度分布と強い相関を示すこと, 大面積視標の場合は網膜周辺部における面積効果により, 周辺部でCFFが最も高くなること, また, 眼球運動中の方が視線を固定した場合よりCFFが高いことなどが明らかになった.
著者
古荘 雅生 友永 正昭 福田 忠彦 甲斐 繁利
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.231-239, 1997
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

We have already reported on the characteristics of a lookout in the daytime and at night by using the eye-movement analyzer called "eye-pointer". This time, we show the remarkable points added the other new data in the twilight with the measurement of the eye-movement by the same way. The remarkable points of the characteristics of the eye-movement related a lookout of ship's operator are as follows ; 1. The extent of fixation point shown by the ellipse with the standard deviation of the fixation angle has a normal tendency being wide horizontally. But in case of the Jet-foil's navigator in the daytime and on the open sea, the extent of fixation point has a special tendency being wide vertically. 2. The average interval of fixation time at night and in the twilight is about 150msec. That in the daytime is about 60msec. On the other hand, by the average speed of sight-line displacement of the eye, the eye-movement of ship's operator is saccade movement in the daytime and in the twilight, and that is smooth pursuit movement at night. Ship's operators conduct the lookout affairs by looking and searching the obstructive targets at night and in the twilight, and by seeing them in the daytime, because of more or less of the visual informations from the ship's environment. 3. The relation every one unit observing duration (33msec) in the daytime between the average speed of sight-line displacement of the eye and the number of fixation point can be shown by the approximate formula ; Y=1827/X+31.8 (Y : the number of fixation point, X : the speed of sight-line displacement of the eye <average rate> (deg/sec), correlation coefficient : -0.82] 4. In the twilight, the average fixation time is more longer and the average speed of sight-line displacement of the eye is more faster, both than that in the daytime. So it is very difficult to catch the visual informations of the targets at sea, in the twilight, ship's operators should have special cautions for preventing ship's collision.
著者
福田 忠彦 古荘 雅生 矢野 吉治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究では人間工学的手法による実験的検討から、操船者の心理的特性と航行視環境の関係について体系的に示すことを目指した.本研究では,まず操船者の状況認識,行動に与える影響要因について明らかにした.その上で,以下の要因が自船の危険に関わる視対象の検出に与える影響を示した.1.光環境の状態日中・薄明時で視覚心理機能測定実験を行い,色知覚機能の大きな相違を明らかした.色知覚機能は薄明時で低下し,特に日中で相対的な感度が高い黄色の感度が有意に低下することが示された.2.操船者が処理しなければならない情報量と処理し得る情報量(1)誘目性の異なる対象を含んだ場面での知覚の範囲全ての対象が静止しているパターン(静止刺激)とそのうち一つに動きをつけたパターン(運動刺激)を用いて,知覚の範囲の測定実験を行った.運動刺激では精度が高く並列的な処理過程である即刻の把握(subitizing)で処理できる対象の数が,静止刺激よりも少なくなることが示された.(2)交通量の多い狭い水域における操船者の視覚探索特性狭水道や港内において眼球運動測定実験を行った.特に情報量が多い港内では,既に把握している視対象以外の存在や,海図やレーダーの情報を確認する余裕がなく,存在を把握している視対象についても,短くかつ少ない視線配置で情報を受容していることが示された.3.操船者の熟練度の影響水平線への見張りにおける熟練航海士と非熟練者の眼球運動測定実験を行った.熟練航海士は注視成分が非熟練者より多く,水平線へ集中して注視を行っていた.また水平方向への8〜10°の移動距離を「見張りの基本単位」とし,これに基づいて水平線上で広く視線を移動させていることが明らかになった.これらの知見を踏まえ,見張りにおけるヒューマンエラーの要因を示した.
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.479-484, 1979-06-01
被引用文献数
6 14

運動刺激に対する網膜各部位の機能差を最小刺激条件および最大刺激条件から検討した.その結果, 中心視における最小刺激条件は空間分解能により支配されるが, 周辺視では空間分解能以下の運動でも動きの知覚が成立すること, また, 運動を知覚しうる最大速度は周辺視の方が中心視より勝ることなどを明らかにした.
著者
山田 光穂 福田 忠彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09135713)
巻号頁・発行日
vol.J69-D, no.9, pp.1335-1342, 1986-09-25

視線の動きから画像を分折する試みを行っている.そのためには,視線の動きを視対象から情報を受容するための成分と,視対象を移動するための成分に分離する必要がある.前者を注視点と呼び,その注視点をここでは,眼球運動の随従運動の性質から定義した.すなわち眼球運動速度の5度/秒をしきい速度として注視点を分離するというものであり,その結果,視線の動きを注視点と注視点間の移動成分に明確に分離することが可能となった.また,この注視点の定義を組み込んだ注視点情報分析装置(Vision Analyser)を開発し,視線の動きをリアルタイムで総合的に分析することが可能となった.更に,このVision Analyserを用いた分析例としてVDT画像と一般動画像の見方の違いおよび芸術方面への応用例として写楽の浮世絵の分析の参考資料となった実験結果についても併せて述べ,注視点の定義が妥当であることを示す.
著者
山田 光穂 福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.714-722, 1989-07-20
被引用文献数
6 1

広視野大画面画像から受ける画面効果の基礎データを得ることを目的として, 静止した視標間を注視点が移動するときに生じる視線の動きと頭の動きの機能の分担の関係を求めた.実験は, ±60°, ±16゜の大小2つの視標ボードを用い, あらかじめ指定した角度差毎に視標を順に注視させる場合と, ランダムに次に見る視標を指示する場合のそれぞれ2種類の実験を行った.大画角に順に提示される視標を注視する場合, 視標間の角度差が大きくなると頭の動く割合が大きくなり, 10°以上でその割合が65%前後で飽和するが, ランダム提示では, 飽和して一定値となるのは60°以上の大きな角度差からである.また, 小画角で順に注視させた場合にも, 視標の角度差とともに頭の動く割合に最小値の生じる角度差があり, 大画角の場合と見方に違いのあることが示唆された.