- 著者
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岡田 浩樹
- 出版者
- 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
- 雑誌
- 繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.6, pp.284-294, 1997
一般に韓服 (ハンボク) とは, 韓国における伝統的な衣服の総称である.原色をふんだんに用いた女性のチマ・チョゴリは韓国人にとって伝統的民族文化のシンボルとなっている.<BR>しかし, 今日のようにチマ・チョゴリが韓民族文化のシンボルとなり, またそのように語られることには, 韓国人が日本による植民地統治とその後の近代化の中で他者 (異文化) を意識し, その視線を内面化していく過程を読みとることができる.<BR>本稿は, 近代以降におけるモノとモノをめぐる語りをテキストとして読みとることにより, 特定のモノがある伝統や民族といったシンボリックな価値を帯びていく過程を明らかにする.さらにそのような過程の枠組みである近代以降の社会・文化を読み解いていこうとする試みのひとつである.