- 著者
 
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             岡田 浩樹
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 宇宙航空研究開発機構
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.11, pp.15-38, 2012-03 
 
          
          
          
        
        
        
        本論文は人類の宇宙への進出について人文科学的なアプローチを行う意義について検討する.まず宇宙への進出が人文科学の学問分野において,新しいフィールとトピックをもたらすことを議論する.ついで,生活世界の概念を手がかりに,近現代に人類が経験してきた近代化およびグローバリゼーションと宇宙開発の関係について言及した後に人文科学が宇宙への進出に接近する際の3つのアプローチと時間軸,空間軸の問題について検討する.その上で,文化人類学の研究史と宇宙研究の関連について述べ,「宇宙人類学」が取り扱うことのできるトピックを列挙する.そして最後に,そうしたトピックの一つの事例として観光人類学の観点から宇宙観光することの問題を議論し,宇宙開発,宇宙への進出について文化人類学さらに人文科学からの接近の有効性を示す.