- 著者
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天野 光三
前田 泰敬
二十軒 起夫
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.115-124, 1984
大阪都市圏の鉄道網の発達が、都市の発展過程と、どのような関係を持ちながら変化してきたか、また、鉄道開設に至るまで、その地域の交通事情はどうであったか、さらに、鉄道路線が計画された経緯等を調べ、鉄道開通前後より、現在に至るまでの市街地の発展情況を把握し、過去から未来に向って、時系列の中で考察し、新規路線の都市に与える効果の予測に利用出来ればと考えるところである。今回の発表は、そのうちの一部分として、比較的鉄道路線の競合性の少ない、東大阪地域での鉄道と都市の発展の関係を調査したものであり、不十分な資料ではあるが、一応この地域の交通慕情と歴史的背景を知ることができた。この地域の昔からの主要陸上交通は、大阪対奈良であり、大阪に陸揚げされた物資や、河内地方の産物を大和へ、また、大和の産物を大阪へと輸送する通路として、東西方向の道路が、古来より幾條にも開かれていた。南北の交通路は、大和川と淀川を結ぶ古くからの中小河川と、東高野街道など、生駒山麓に沿った街道がある。明治以降も東西方向の鉄道が先に開設され、南北を結ぶ鉄道は今だに実現していないが、これに代わるものとして、南北方向には、道路網が発展し、鉄道の補間的な役割をしている。