著者
小口 悦子 小林 恵子 津久井 亜紀夫 永山 スミ 樽本 勲
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.879-886, 1992

わが国の代表的な13品種の甘藷を用いていも羊羮を製造し, 硬さ, 付着性, 凝集性, 破断応力および破断ひずみを測定した。また, 生甘藷およびいも羊羮の水分量を測定し, テクスチャー値との関係を検討した.さらに, 官能検査を実施し, 以下の結果を得た.<BR>(1) いも羊羮は日本的, 家庭的, 女性的で甘い菓子というイメージであった.<BR>(2) いも羊羮の製造においては, 蒸し時間は20分が適当であった.<BR>(3) いも羊羮の硬さ, 付着性, 破断応力および破断ひずみは13品種間において差が認められた.しかし凝集性はほとんど差がなかった.<BR>(4) いも羊羮の硬さと破断応力は, 正の相関関係が認められた.硬さと破断ひずみ, 付着性と破断ひずみは負の相関関係が認められた.<BR>(5) 生甘藷, 蒸し甘藷およびいも羊羮の水分量といも羊羮の硬さは負の相関関係が認められた.<BR>(6) いも羊羮の嗜好調査の結果から高系14号, 沖縄100号, ベニコマチの明るい黄色が好まれた.この3品種のいも羊羮について官能検査を行ったところ, 高系14号は, 硬さおよび付着性が13品種中, 中位にあり, いも羊羮として好まれた品種であった.

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