著者
野中 聡 国部 勇 浅野目 充 海野 徳二 石川 幸雄
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.150-154, 1995

喉頭ネブライザー療法におけるエアロゾル粒子の気道内への沈着様式についての解析はこれまであまりなされていない。本実験では経口RI吸入実験を行い, 喉頭超音波ネブライザー療法における気道, 消化管内へのエアロゾル沈着率を解析するとともに, 粒子に送気, 振動などを加え, これらの条件が沈着率にどのような影響を与えるか検討を加えた。超音波ネブライザー単独で吸入した場合, 咽喉頭部への沈着率は約4%と小さく, 大部分のエアロゾルは肺に沈着した。毎分3Lの送気付加トライアルでは咽喉頭部への沈着率はネブライザー単独とほぼ同じであった。振動付加トライアルのみ全ての被験者に共通して咽喉頭部への沈着率が増加した。RI標識製剤をテクネシウムHSAに代えた場合も, 咽喉頭部への沈着率は送気付加の場合と同様であった。

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