- 著者
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鄭 美愛
三吉 満智子
- 出版者
- 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
- 雑誌
- 繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.12, pp.780-787, 2003
目的: 本研究では, 第1報で報告したチェストを説明変数とした回帰式を主として用いた成人男子用平均原型を, さらに汎用原型とすることを目的とし, 本報では特に肩傾斜について検討した.<BR>方法: 被験者は53名の男子 (25~29歳) の適合原型を求め, その各部寸法についてチェストによる回帰式を求め男子原型を作製した.ただしチェストと相関の低い肩傾斜は平均値による定数とした.13名の石膏像を作成し, それを用いて汎用原型としての肩傾斜の許容範囲を調べるため平均肩傾斜及び, 1°, 2°, 3°ゆるめた原型を着用させ, 官能検査を行なった.また着用時の原型肩先と人体肩先部との空間上の浮きを肩先空隙高さとし三次元処理可能なコンピュータ上で計測し, 官能量との関係を検討した.<BR>結果: 官能検査と空隙高さ計測結果, 汎用原型は平均原型肩傾斜より前後それぞれの肩傾斜を平均的な人に対しては1.03°~1.1°ゆるめることによって適合性を保ちながらカバー率を上げることが出来るという結果が得られた.この結果は平均肩傾斜よりなで肩方向50%は補正し易さにおいてカバー可能とすれば, 正規確率分布上65.8%をカバーすることとなると言える.<BR>本報告の汎用原型肩傾斜のカバー率を上げるための方法論は有効であると考えられた.