著者
鄭 美愛
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.75, no.13, pp.791-812, 2002-11-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1

本稿は,ソウル大都市圏に位置する盆唐ニュータウン(以下NT)居住者の居住地移動パターンと移動要因について,ライフステージの概念を適用し,縦断分析によって明らかにした.地方出身者は地方から首都圏に移動した後に盆唐NTに転入する.世帯準備期においては主に利便性要因,世帯形成期には住居要因により移動が生じる.世帯成長期の移動には住居・資産形成要因が重要である.ソウル出身者は江北を発地とし,江南またはソウル大都市圏を経由して盆唐NTに至る.親世代がソウルで生活基盤を構築した彼らの場合,住居要因が世帯準備期からすでに重要な移動要因である.世帯成長期には,住居要因に加えて自然環境・資産形成要因によって盆唐NTに転入した.サンプル世帯の約6割は江南を経由する.江南に居住することが盆唐NTへの移動の契機となった.江南に居住できた人々のうち,世帯成長期にあってより良好な居住環境を求める者,資産形成を図る者が盆唐NTへ移動する.
著者
鄭 美愛 三吉 満智子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.780-787, 2003

目的: 本研究では, 第1報で報告したチェストを説明変数とした回帰式を主として用いた成人男子用平均原型を, さらに汎用原型とすることを目的とし, 本報では特に肩傾斜について検討した.<BR>方法: 被験者は53名の男子 (25~29歳) の適合原型を求め, その各部寸法についてチェストによる回帰式を求め男子原型を作製した.ただしチェストと相関の低い肩傾斜は平均値による定数とした.13名の石膏像を作成し, それを用いて汎用原型としての肩傾斜の許容範囲を調べるため平均肩傾斜及び, 1°, 2°, 3°ゆるめた原型を着用させ, 官能検査を行なった.また着用時の原型肩先と人体肩先部との空間上の浮きを肩先空隙高さとし三次元処理可能なコンピュータ上で計測し, 官能量との関係を検討した.<BR>結果: 官能検査と空隙高さ計測結果, 汎用原型は平均原型肩傾斜より前後それぞれの肩傾斜を平均的な人に対しては1.03°~1.1°ゆるめることによって適合性を保ちながらカバー率を上げることが出来るという結果が得られた.この結果は平均肩傾斜よりなで肩方向50%は補正し易さにおいてカバー可能とすれば, 正規確率分布上65.8%をカバーすることとなると言える.<BR>本報告の汎用原型肩傾斜のカバー率を上げるための方法論は有効であると考えられた.