著者
水口 憲哉
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.173-178, 1970

秋川におけるオイカワ (<I>Zacco platypus</I>) の卵の生産について以下の点を明らかにした.<BR>1) 卵巣の重量および長さにおける増加は, 4月から6月にかけて急激におこり, 重量はその後7月, 8月と徐々に減少し9月には3月の状態にもどる.これにともない, 体重の増加およびその後の減少, 消化管内容物重量の増加がみられた.<BR>2) 1966年6月, 東秋留においては, 孕卵数 (F) と全長 (L (mm)) との間には, logF=-2.80+2.84logLなる関係がみられ, 投網で採集されたオイカワの雌100個体当りの孕卵量は約38, 000粒と推定された.<BR>3) 雌100個体当りの孕卵量はその後, 7月約24, 000粒, 8月約9, 000粒と減少してゆき, 潜在的な産卵能力を3ヶ月間にわたって維持していたと考えられる.

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