著者
尼岡 邦夫
出版者
魚雑
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.153-157, 1974

種子島近海 (30°51'N, 129°01'E) の中層で, 水深32mから採集された1個体のダルマガレイ科 (Bothidae) の後期仔魚 (体長21.6mm) を調査した.この仔魚は体が長だ円形で, 短い背鰭第1棘と伸長した第2棘をもち, 尾舌骨と腰骨の腹縁に鋸歯を欠くなど明らかにナガダルマガレイ属 (<I>Arnoglossus</I>) の特徴をもっている.日本近海には本属の4種, ニホンダルマガレイ, ハナトゴダルマ, ナンヨウダルマ, ナガダルマガレイが生息している.この仔魚はすでに知られているニホンダルマガレイの仔魚によく似ているが, 背鰭条数 (II, 92), 臀鰭条数 (73) および脊椎骨数 (10+30=40) が少ない.これらの体節的形質に基づいて, この仔魚は南日本から南シナ海に広く分布するナガダルマガレイに同定される.また, この仔魚と同じ発育段階にあるニホンダルマガレイの仔魚と比較した結果, これらの体節的形質以外に, ナガダルマガレイの仔魚は体が高く, 吻・眼径・下顎・背鰭軟条・臀鰭軟条が短く, 吻突起がほとんど発達しないなどの相違のあることが判明した.

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