著者
豊島 義博 野村 義明 安田 登
出版者
日本接着歯学会
雑誌
接着歯学 (ISSN:09131655)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.134-142, 1995

1994年1月から1995年4月まで東京都内3ヵ所の診療施設で脱落を主訴として来院した患者の脱落歯の観察調査を行った。調査歯数342件について脱落物の分類を行い、そのうち289歯について統計的な分析を行った。調査歯の61.6%に2次齲蝕が生じていた。2次齲蝕を生じると思われた要因をそれぞれ2×2表にまとめカイ二乗検定をおこなった。その結果カリエスアクティビティ、セメント、処置医院、歯髄の有無、脱落物の種類に相関が認められた。このうちカリエスアクティビティは、脱落歯以外の齲蝕歯の有無をもって判定した。従来鋳造修復歯に生じる2次齲蝕は、修復物の不適合などが原因と言われていたが、本調査によりカリエスアクティビティとセメントが大きな病因であると考えられた。今後はセメントのもつどのような機能が齲蝕と相関するか、検討する必要がある。

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ぶっちゃけ、どう治すかよりも、なぜそうなったのかを追求していくほうが予後への影響が大きいことが分かっているし、そっちの議論の方が大事でしょ。 https://t.co/bhEqUKO3pH

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