著者
大田 啓一 半田 暢彦
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.25-32, 1985
被引用文献数
8

西部北太平洋上で粒径別に採集したエアロゾル試料の有機炭素, アルカンおよび多環芳香族炭化水素 (PAH) を分析した結果, 次のことが明らかとなった. すなわち, これら有機物の大気中濃度は, 日本あるいはユーラシア大陸からの距離が遠くなるにつれて減少しており, 減少の度合いの大きさは, PAH>>アルカン>有機炭素の順であった. またこれら有機物は, 粒径1μm以下の小粒子に主として含まれていた. アルカンとPAHについての分析結果は, 日本の沿岸海域のエアロゾルに含まれる炭化水素は陸上の人間活動に由来するものであり, その寄与は, 日本から約1,000kmの海域におよんでいることを示した. 一方, 遠洋のエアロゾルについては, 1μm以下の粒子の炭化水素は陸上の自然源起源であり, それより大きい粒子中のそれは海洋起源であることが明らかになった.

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