著者
大庭 有二 小門 宏 井上 英一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1974, no.7, pp.1209-1212, 1974

さきにも報告のした陽極の還元力を酸化亜鉛の光電導により制御して,電解反応により画像形成を行なわす電概論電子写真法り塩化ニッケル,塩化アンモニウム,チオ硫酸ナトリウムからなる現像液は,中性付近でもっとも高いニッケル析出濃度を示し,酸性側ほどニッケル析出効率が下がった。約pH 6以下では現像液が疲労しやすく,この原因は,申性以上で生成するニッケルアンミン錯体が電解反応に関与するためと推定した。ニッケル析出反応の促進剤であるチオ硫酸ナトリウムは,10-s mol/1までニッケル析出反応を増加させる作用に寄与したが,それ以上の濃度では,アルミニウム基板とニッケルイオンの直接反応を増加させる原因となった。これらの現像液中で測定した酸化亜鉛と接触したアルミニウム基板の電位は主としてアルミニウムとアルミニウムイオンの平衡と,アルミニウムイオンと塩化物イオンの平衡関係によりなり立ち,塩化物イオン濃度の関数であると推定した。この電位の安定性は,アルミニウムと遊離ニッケルイオン(アクア錯体イオン)との直接反応による電荷消費が原因と考えられ,遊離のニッケルイオンの減少により電位は安定化した。

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