著者
松崎 啓 守屋 正夫 祖父江 寛
出版者
日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.2039-2042, 1960

ペンゼン- エタノールによる樹脂抽出, 1% カセイソーダキアボイル, 17.5 % カセイソーダ抽出処理などを行なったアップランド綿を4%硫酸と1~5時間加熱し,分解溶出する糖をペーパークロマトグラフィーにより定性および定量した。また樹脂抽出処理した木綿の加水分解液をセルロース粉および厚手のロ紙を用いて分別し,D-ガラクトース,L-アラビノース, D - キシロース, L - ラムノース, L - フコースを遊離糖あるいは誘導体として確認した。マンノースおよびリボースの存在は疑わしく,フラクトースは存在しない。木綿中のアラビノース基およびガラクトース基はもっとも加水分解されやすく,その量は脱脂木綿に対しともに約0.3%であるが,キシロース基は酸加水分解に抵抗性で,その量は0.2~0.3%と考えられる。標準セルロース調製法に準じて,1%カセイソーダで10時間キアボイルした木綿中にも,0.05~0.06% .06%程度のアラビノース基, ガラクトース基, キシロース基が残留しており, フコース基, ラムノース基も認められる。

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