- 著者
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岩室 紳也
- 出版者
- Japanese Society of Chemotherapy
- 雑誌
- 日本化学療法学会雑誌 (ISSN:13407007)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.2, pp.154-159, 2007
ティーンエイジャーは中学卒業時に1割, 高校卒業時には4割の生徒が性体験を持つ一方で, セックスの時にコンドームを積極的に使用する人が約半数であり, コンドーム使用は生活習慣になっていないため, 性感染症や望まない妊娠のリスクが高い。しかし, コンドームキャンペーンへの反対運動や県の条例で少年 (18歳未満) に対するコンドームの販売を規制しているところもある。テレビ放送におけるコンドーム広告に関する自主規制が存在し, コンドームキャンペーンの手段として最も効果的だと思われるマスコミ関係の協力が得られない。その一方で, 中学校の教科書では「コンドームは, 直接の接触をさけることができるので, 性感染症の予防として有効な手段です」と, 高校の教科書ではコンドームの写真と一緒に「使用方法と留意点: 男性の陰茎が勃起状態になってから, 性交前に装着する。装着時には, 精液だめの空気を抜く。陰茎の勃起前に装着したり, 射精後すみやかに処理しなかったりすると, はずれて精液が膣内にもれることがある。袋の切り口や爪によってコンドームが傷つくと, 使用中に破れることがあるので注意する。比較的簡単に購入できる。価格も安価である」と紹介されている。コンドームキャンペーンではコンドームを印象付けるために感動と共感が得られることが重要であり, 男性用コンドームの購入・保存・携帯法, 正確な男性用コンドーム装着法を詳細に伝え, 「めんどう」, 「使い心地が悪い」, とコンドームを使わないパートナーはあなたの気持ちに無関心であることを, マザーテレサの言葉, 「愛の反対は無関心」を引用し紹介する。