著者
所 光男 長野 功 後藤 喜一 中村 章
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.861-865, 1990

SS寒天平板上で赤痢菌が疑われた集落由来株を培養時間24時間で簡易に鑑別できる培地を改良するための基礎実験を赤痢菌23株, <I>Escherichia coli</I> 129株を用いて行なった. その結果, 合成培地に酢酸ナトリウム0.3%, ブドウ糖0.02%, クエン酸ナトリウム0.3%を加え改良したCA培地 (Citrate-Acetatemedium) は, 従来我が国で常用されているクリステンゼンのクエン酸塩培地に比べ, 赤痢菌と<I>E. coli</I>の鑑別に優れていることが確認された.<BR>健康者検便のSS寒天板上で赤痢が疑われた集落由来株130株を用い赤痢菌との鑑別性をCA培地, クリステンゼンのクエン酸塩培地, 酢酸ナトリウム寒天培地を用いて比較した結果, 24時間の培養の時点では, CA培地はクリステンゼンのクエン酸塩培地, 酢酸ナトリウム寒天培地より鑑別性が優れていることが確認された.<BR>更に, 使用した130株の同定を行い上記3培地の菌種による鑑別性を検討した結果, 赤痢菌の鑑別培地としてCA培地は<I>Escherichia sp.</I> の鑑別ではクリステンゼンのクエン酸塩培地より優れており, <I>Hafnia sp.</I> の鑑別では酢酸ナトリウム培地より優れていることが確認された.

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