- 著者
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富永 健
巻出 義紘
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 日本化学会誌
- 巻号頁・発行日
- vol.1991, no.5, pp.351-357, 1991
- 被引用文献数
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2
近年,人間活動から放出される物質が地球環境に重大な影響をおよぼしつつあるが,中でもフロンなど長寿命のハロカーボンは成層圏のオゾン層破壊や地球の温暖化をもたらすことが明らかとなった。大気中の極微量のフロン・ハロカーボンの平均濃度を精密に測定し,10年以上にわたってそれらの経年変化を研究した。フロン11やフロン12の濃度は毎年約4%ずつ,またフロン113の濃度は10~20%ずつ増加を続けている。世界的にフロン規捌が実施されると大気濃度の動向も変化が現れるはずである。大気球を用いたグラブサンプリソグ法およびクライオジェニックサンプリング法により成層圏の大気を採取し・フロンやハロカーボンの成層圏における濃度をしらべた結果,垂直分布はこれらの物質の成層圏の紫外光による分解の様子を反映することが明らかとなった。