著者
沢登 徹 平野 裕司 平岡 昌和
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.757-767, 1985

薬物による不整脈モデルとして使われているアコニチンの不整脈発生機序を明らかにするため, 外液Caを除去した条件およびCa<SUP>2+</SUP>遮断剤を加えた条件下で検討した。アコニチンは無Ca<SUP>2+</SUP>溶液中で活動電位の静止電位, オーパーシュート, Vmaxを減少し, 90%持続時間を短縮して, 5.5分後に遅延後脱分極 (DAD) を発生し, 11分後に誘発活動 (TA) を生じた。頻拍が自然停止した後はDADおよびTAは単発刺激で出現した。ベラバミル共存下または前処置でもDADの発生は抑制できず, LaCl<SUB>3</SUB>, TTX共存下で抑制できた。高Kや低NaはDADの振幅の大きさを抑制した。このアコニチンによるDADは一過性内向き電流 (T1) によりもたらされた。以上よりアコニチンは細胞内Na負荷を生じることで遅延後脱分極や誘発活動をもたらす。このことは誘発活動を引き起こす一つの実験的モデルとなり得ると思われる。

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こんな論文どうですか? アコニチンによる遅延後脱分極の特徴(沢登 徹ほか),1985 https://t.co/faIw7nfmyc 薬物による不整脈モデルとして使われているアコニチンの不整脈発…
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