著者
高橋 洋祐 平野 裕司 左合 澄人
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.5, 2007

固体高分子形に代表される燃料電池は、クリーンエネルギーとして、次世代自動車用電源として注目されている。燃料電池は、普及段階に向けて、高耐久性化、高寿命化が求められている。燃料電池の高寿命化には、水素を主体とする燃料ガスに微量含有するCOの除去が必要となる。従来、CO除去方法として、貴金属触媒により選択酸化除去・水素化除去する方法が提案されている。我々は、新たなCO除去法として、セラミックス触媒膜の適用を検討してきた。高CO除去性能、低コスト化、コンパクト化の可能性を見出したので報告する。
著者
加藤 真示 平野 裕司 岩田 美佐男 佐野 泰三 竹内 浩士
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.560-565, 2003-06-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

TiO2 photocatalytic filters are utilized for various fields of environmental purification, such as decomposition of stench substances and harmful chemicals, etc. However, it turned out that the decomposition rate of sulfide chemicals, such as hydrogen sulfide (H2S) and methylmercaptan (CH3SH), were very slow to react on TiO2 under UV irradiation. In order to improve the decomposition ability of sulfide chemicals, this Ag-deposited Photocatalytic filter has been developed. The Ag-deposited photocatalytic filter was fabricated by coating TiO2 on the porous ceramics body, and successively depositing nano-sized Ag particles on TiO2 by means of photodeposition method. It was observed that Ag deposition on TiO2 improved the adsorption ability for H2S gas and CH3SH gas. Consequently, the Ag-deposited photocatalytic filter could remove H2S gas and CH3SH gas with an 8.0 times, and an 8.7 times effectiveness, respectively, in comparison with conventional TiO2 photocatalytic filter.
著者
沢登 徹 平野 裕司 平岡 昌和
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.757-767, 1985

薬物による不整脈モデルとして使われているアコニチンの不整脈発生機序を明らかにするため, 外液Caを除去した条件およびCa<SUP>2+</SUP>遮断剤を加えた条件下で検討した。アコニチンは無Ca<SUP>2+</SUP>溶液中で活動電位の静止電位, オーパーシュート, Vmaxを減少し, 90%持続時間を短縮して, 5.5分後に遅延後脱分極 (DAD) を発生し, 11分後に誘発活動 (TA) を生じた。頻拍が自然停止した後はDADおよびTAは単発刺激で出現した。ベラバミル共存下または前処置でもDADの発生は抑制できず, LaCl<SUB>3</SUB>, TTX共存下で抑制できた。高Kや低NaはDADの振幅の大きさを抑制した。このアコニチンによるDADは一過性内向き電流 (T1) によりもたらされた。以上よりアコニチンは細胞内Na負荷を生じることで遅延後脱分極や誘発活動をもたらす。このことは誘発活動を引き起こす一つの実験的モデルとなり得ると思われる。
著者
平野 裕司 新宮 彦助 木村 功 那須 吉郎 塩谷 彰秀 大浜 満
出版者
中国・四国整形外科学会
雑誌
中国・四国整形外科学会雑誌 (ISSN:09152695)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.221-226, 1995-09-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
5

We compared our cases with a nationwide epidemiological survey of spinal cord injuries in Japan from January 1990 to December 1992. We had 16 cases of cervical spine injury due to diving accidents which constituted 3% of all injuries and 54% of sports injuries. The average age of them was 24.1 years, ranging from 12 to 41 years. The nationwide epidemological survey included 114 cases of diving accidents which constituted 1% of all injuries and 22% of sports injuries. The average age of them was 22.1 years, ranging from 10 to 55 years.Since the greater part of both cases had severe clinical symptom, it was difficult to recover from the palsy and return to social life. And so we think that a wide educational program is essential in order to reduce the number of diving accidents.
著者
平岡 昌和 古川 哲史 平野 裕司
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

HERG Kチャネルは心筋の再分極に重要な役割を果たすIkr電流をコードし、また最近QT延長症候群の一つ・LQT2の原因遺伝子であることが判明した。さらに、多くの薬物によっても抑制されることから薬物誘発性QT延長の原因ともなりやすい。そこで、我が国のLQT2家系に認められたHERG Kチャネル遺伝子の機能解析を中心にその抑制機序を検討した。T474I(I-II linker),A614V,V630L(チャネル外孔部)について卵母細胞にて発現実験を行うと、変異種単独では電流を発現せず、野生型との共発現でその機能を抑制するdominant negative suppression(DNS)を認め、A614VとV630Lではさらに不活性化の促進から強い電流抑制を呈した。電位センサーに位置するS4のR534C変異では、単独では小さな電流しか発現しなかったが、野生型との共発現ではDNSを示さなかった。発現電流では活性化曲線のシフトが見られ、S4が電位センサーとして働くことを始めて明らかにした。この変位での電流抑制機序は脱活性化の促進のみでQT延長を来す十分な説明とはならず、未知の抑制機序の関与が考えられたが、調節因子との会合不全を示す所見は得られなかった。HERGのC端側のS818L変異は、単独では電流を発現せず、野生型と変異型cRNAを1:1で混合注入による共発現では電流を発現し、しかもDNSを示さなかった。ところが、変異種を増量した割合で共発現させると、明らかなをDNSが見られ、電流活性化曲線はマイナス側にシフトし、活性化・脱活性化が促進された。これらの結果から、S818L変異は野生型と会合して膜に到達して機能的なチャネルを形成すること、HERGのC端側が一部電流の活性化にも関与しうることが示唆された。このようにHERGの変異部位によって異なる電流抑制機序を発揮し、それはこのチャネルの機能-構造相関にも有意義な情報をもたらした。これいがいに、アシドージスやエストロゲン、抗不整脈薬のシベンゾリンによるこのチャネル抑制機序を明らかにした。