著者
好井 久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.353-359, 1965

前報にひきつづき, みそ, しょう油醸造微生物の主要群別を目的とした選択分離技法を, 菌群のpB耐性, 食塩耐性, 酸素要求度について試験した。<BR>1) <I>Ped.halopkilus</I>の酸性pHに弱い特長をもととした酸性 (pH5.0以下) 培地の使用は, 他菌群の生育も弱化し, 選択分離には利用できない。<BR>2) <I>Ped.halopkilus</I>の好塩性を利用し, 食塩10%程度含有の分離培地を用いることは本菌群の選択分離に有効である。しかも食塩耐性はある程度環境 (食塩濃度) に生理的適応を示しているものとみなされ, 含塩下に生存する本菌の無塩培地での分離は若干のviable lossをおこすものと思われる。<BR>3) 生しょう油の添加は一般的に乳酸菌 (Micrococcusを含めて) の生育を向上させ, TNで0.2%程度の生しょう油をふくむ食塩10%添加培地が.<I>Ped.halopkilus</I>の分離に適している。<BR>4) 乳酸菌の分離は減圧 (真空) 法によらずとも重層法で充分目的を達し得る。この際の<I>Bacillus</I>の完全阻止にはソレビン酸添加培地の使用がのぞましい。<I>Micrococcus</I>は重層下にはかなり生菌数が減る。<BR>おわりにのぞみテスト<I>Streptococcus</I>菌株の一部を分譲いただいた農林省食糧研究所伊藤寛氏, <I>Pediococcus</I>菌株の分譲をいただいた野田産研坂口健二氏, 新潟県食品研本間伸夫氏ならびに終始御鞭漣を賜わった鳥山所長に深謝する。なお本報告の要旨は全国味噌技術会研究発表会 (昭38年5月20日) において口演し, 技法の要点のみは同会発行の味噌技術に摘記ずみである。

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