著者
絹川 直子
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.196-201, 2007

いざデータを統計学的に解析しようとするとき、どのようにして解析手法を選んでいますか?参考にした論文や先輩が使用していたものと同じもの?その手法を用いた解析結果の数値をどのように読み取って解釈していますか?検証したいことは言えているのでしょうか?本稿では、神経科学分野の医師からの相談によく出てくる分散分析を中心に、統計解析でよく目にする数値の意味や手法毎に対象としている状況をみていきます。そもそも、検定すると出力されるp値って何?2群の数値を比較するときはt検定。それなら、2群ではなくA、B、C3群のときに、C群はA、B群に比べて値が大きいことが言えそうですが、このときt検定でA群とC群、B群とC群でそれぞれ2群比較して、どちらもp<0.05となればしめたもの、…でいいですよね?高齢者の多い疾患群と身近な病院関係者から選んだ健常者群の比較をするとき、群間で少し年齢が異なっているような気もしますが、このまま群間比較をしてしまいましょう…?分散分析をすると結果にたくさんのp値が出て来て、どのp値が何を表わしているのかはよく分からないけれど、0.05より小さいp値があるので自分が検出したい有意差はあるのでしょう?このようなことを考えたことがある方は本文を読んでみて下さい。ほんの入り口部分だけではありますが、統計学的仮説検定の基礎と分散分析周辺のことに触れていきたいと思います。

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