- 著者
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鈴木 淳
大平 通泰
- 出版者
- 一般社団法人 日本繊維機械学会
- 雑誌
- 繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.12, pp.T217-T224, 1973
- 被引用文献数
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目的 布のぬれやすさ, すなわち汗の接触移動による布のふきとり能力が「べたつき」ないしは「まとわりっき」に及ぼす効果を液滴吸収ならびにすべり抵抗の同時測定から物理的に検討する.結果 ふきとり能力が大きい比較的太番手で撚りもある密度の小さい親水性試料ほど「べたつき」ないしは「まとわりつき」への効果が小さく, ふきとり能力が小さい細番手で撚りも少ない密度が大きい薄地の疎水性試料ほど「べたつき」ないしは「まとわりつき」への効果が大きい.たとえば, 「べたつき」ないしは「まとわりつき」の指標として定義したS'の値は綿プロード40sを1とすると綿ブロード200/2sでは20, ポリエステル/綿混紡プロード40sでは, 4, ポリエステルタフタでは100~500の値を示した.また, すべり抵抗の作用機構をモデル的に検討し実験式としてF=2 (T/g) sin (θ+α) ・ (lN), R=μ・F・Sを提案した.