著者
須田 紀子 大平 通泰
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.148-152, 1979

ドレープ形態を最も単純化した形のモデルすなわちゴムの円環一本を糸で吊り下げた円環モデルのドレープ形成機構についてはすでに検討を行った.<BR>本報では, この円環モデルの実際の応用例の一つとして, 裾回り (試料長) およびウエスト回り (支持盤の周) を一定とし, 垂下長を5段階に変化させたフレヤースカート状モデルを作り, 各垂下長の時に生ずるひだ (挫屈波形) の形態および数等について考察した.<BR>垂下長が短いときの方が挫屈波形の形態が明確であり, 長くなるに従って乱れが出てくる.また, 薄地のものより厚地のものの方がより波形が明確である.<BR>ノード数は円環モデルの結果と同様に, 垂下長の短い方が多く, 長さが増すにつれて減少する傾向が認められた.<BR>さらに, 円環モデルのノード数の計算式を適用し, ノード数の理論値を求め実験値と比較してみると, ほぼ類似した傾向がみられ, 本報のモデルにも式の適用は可能と考えられる.
著者
鈴木 淳 大平 通泰
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.T217-T224, 1973
被引用文献数
1

目的 布のぬれやすさ, すなわち汗の接触移動による布のふきとり能力が「べたつき」ないしは「まとわりっき」に及ぼす効果を液滴吸収ならびにすべり抵抗の同時測定から物理的に検討する.結果 ふきとり能力が大きい比較的太番手で撚りもある密度の小さい親水性試料ほど「べたつき」ないしは「まとわりつき」への効果が小さく, ふきとり能力が小さい細番手で撚りも少ない密度が大きい薄地の疎水性試料ほど「べたつき」ないしは「まとわりつき」への効果が大きい.たとえば, 「べたつき」ないしは「まとわりつき」の指標として定義したS'の値は綿プロード40sを1とすると綿ブロード200/2sでは20, ポリエステル/綿混紡プロード40sでは, 4, ポリエステルタフタでは100~500の値を示した.また, すべり抵抗の作用機構をモデル的に検討し実験式としてF=2 (T/g) sin (θ+α) ・ (lN), R=μ・F・Sを提案した.