著者
苧阪 直行
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 : 日本高次脳機能障害学会誌 = Higher brain function research (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.7-14, 2012-03-31
被引用文献数
5

前頭前野 (prefrontal cortex : PFC) は脳の高次情報の統合, 選択と調整を遂行する領域であり, その障害は記憶や注意のはたらきに影響を及ぼすことが知られている。とくに, 認知的制御を行う実行系の機能は PFC のはたらきにとって重要である。本稿ではPFC のもつさまざまなはたらきのうち, ワーキングメモリ, とくに言語性のワーキングメモリとその実行機能 (executive function) のはたらきをリーディングスパンテスト (reading span test : RST) やリスニングスパンテスト (listening span test : LST) を通して, 脳イメージングの研究を手がかりに考えてみる。とくに健常成人や高齢者のワーキングメモリについてその個人差や容量制約の視点から概観したい。

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