著者
岡澤 均
出版者
Societas Neurologica Japonica
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.63-72, 2012

ハンチントン病ではハンチンチン遺伝子のCAGリピート伸長により,変異RNAと変異タンパクが産生され,神経細胞の機能障害と最終的な細胞死を誘発する.私たちは20年近く,網羅的アプローチ(オミックス)をもちいてハンチントン病ならびに関連するポリグルタミン病の分子病態を解析してきた.その結果,PQBP1,Ku70,HMGB,Maxer,Omiなどの新たな病態関連分子を同定し,転写,スプライシング,DNA損傷修復という核機能に深くかかわる新たな分子病態が存在することを,機能変化の面から明らかにしてきた.今後,これらのターゲット分子を介した分子標的治療の開発が期待できる.<br>

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