- 著者
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児玉 知子
- 出版者
- Societas Neurologica Japonica
- 雑誌
- 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.11, pp.1283-1286, 2013
- 被引用文献数
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近年,希少性ゆえに治療や医薬品開発が進まない難病領域において,国際連携による病態把握や医薬品開発への動きが高まっている.国内難病対策は1972年の「難病対策要綱」に基づき,調査研究,医療施設整備や医療費負担の軽減,福祉の充実やQOL向上を目指した総合的施策として世界に先駆けて推進されてきた.海外では希少医薬品関連法規の整備を背景に,1989年に米国NIHに希少疾患対策室が発足,欧州でも1999年にEU加盟国の優先課題として国家プランを策定,Orphanetによる疾患・治療ケア・研究開発情報の一元化が推進されている.今後はグローバルスタンダードな患者登録システムの充実,患者組織や製薬企業をパートナーとした海外連携の強化が期待される.