- 著者
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片岡 弥恵子
須藤 宏恵
永森 久美子
堀内 成子
- 出版者
- Japan Academy of Midwifery
- 雑誌
- 日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.2, pp.158-169, 2008
<B>目 的</B><br> 研究目的は,性の健康クラスに参加した母親のクラス前後の気持ちおよび行動について記述することで,クラスに参加した母親と子どもおよび家族にどのような変化があったかを明らかにすることである。<br><B>対象と方法</B><br> 研究デザインは,質的記述的研究であった。クラスに参加予定の母親10名を対象に,クラス前と終了後の2回,半構成的インタビュー法によりデータを収集した。データからクラス前後の変化ととらえられた部分を抽出し,コード化しカテゴリーに分類した。<br><B>結 果</B><br> 母親の語りは,性教育の第一歩,新しい家族を迎えること,家族で迎える出産に分類された。性教育の第一歩として,クラス前の母親は,子どもへの【性に関する正しい知識の伝授】を望んでいたが,性について【どこまで話したらよいかという悩み】を持ち,【子どもに理解しやすい方法の探求】を試みていた。クラス後には,【性について子どもに伝えていく自信】を高め,【子どもの理解への手ごたえ】を得ていた。同時に,自分自身の受けた性教育について振り返り【母親自身が受けた性教育への疑問】を感じていた。新しい家族を迎えることについては,クラス前【上の子どもへの対応の難しさ】を感じ【無理のない弟妹の受入れ】を望んでいた母親は,クラス後に【赤ちゃん返りを受止める】,【子どもの成長の実感】を得ていた。家族で迎える出産に関することでは,【家族で迎える出産への期待】から【子ども立会い出産の準備】がクラスを受ける動機になっており,クラス後は【家族で共有知識を持つ心強さ】を持ち,クラスは【今回の出産に向き合う】契機になっていた。<br><B>結 論</B><br> 上の子どもや家族で迎える出産に向けての母親の気持ちは,クラスの前後で肯定的に変化していたことがわかった。これは,クラスの影響と推測することができる。対象者を増やし,家族への長期的な影響を踏まえてクラスの効果を明らかにすることが今後の課題である。